近年、臨床試験を取り巻く環境は大きく変化し、被験者様の負担軽減と試験効率化を目指す「分散型臨床試験(DCT: Decentralized Clinical Trial)」への注目がますます高まっています。このような背景の中、富山大学附属病院 臨床研究開発推進センター様は、デジタル技術を活用したDCTの導入を加速させるべく、体験型セミナーを開催されました。
本稿では、その詳細と、セミナーで活用されたePROシステム「3H P-Guardian」が果たす役割についてご紹介いたします。
■ 富山大学附属病院臨床研究開発推進センター様の取り組み
分散型臨床試験(DCT)は、医療機関への来院に依存せず、デジタル技術を駆使して臨床試験を進める新しい手法です。被験者様にとっては、地理的な制約が緩和され、通院負担や拘束時間が削減されるという大きなメリットがあります。これにより、より多くの患者様が臨床試験に参加できる可能性が広がると期待されています。
富山大学附属病院臨床研究開発開発推進センター様は、令和6年度には産学官共創プラットフォーム「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアム(通称:富山くすりコンソ)の研究開発補助金「実用化総合支援プログラム」の採択を受けられました。これにより、富山大学様におけるDCTの実施体制構築に向け、富山くすりコンソ様との連携を強化しながら、その推進に尽力されています。
■ 実践的な体験がDCTへの理解を深める:ePRO「3H P-Guardian」の活用
去る3月13日と14日の2日間にわたり、富山大学附属病院様にて、医師、看護師、教職員の皆様を対象とした「分散型臨床試験(DCT)体験型セミナー」が開催されました。このセミナーでは、座学に留まらず、参加者が実際にシステムを操作する「体験型」で実施しました。これにより、DCTの理論だけでなく、その実践的なメリットや潜在的な課題を肌で感じ、より深い理解を得ることができたと伺っております。
セミナーでは、ePRO(電子報告アウトカム)とeConsent(電子同意取得)を体験頂き、ePROにおいては「3H P-Guardian」、eConsetにおいては「Uchiken System」が用いられました。参加者の皆様は、医療者用管理システムと、患者様目線での「3H P-Guardian」アプリの操作を体験されることで、事前準備から患者様による質問票回答、そして医療者による回答内容確認に至る具体的な流れと、その利便性を肌で感じることができたとご好評をいただきました。
参加者の皆様からは、「実際に操作体験をしたことで、DCTのメリットや課題となりそうなポイントを実感できた」といった声が聞かれ、実践的な学びがDCTへの理解を深め、関心を高める上で非常に有効であったことがうかがえました。


これは見出しです
開催風景
■ 臨床試験の未来を拓くePRO「3H P-Guardian」
今回のセミナーで活用されたePROシステム「3H P-Guardian」は、患者様がご自宅などからスマートフォンを通じて直接、症状やQOL(生活の質)などの情報を入力できます。直感的なインターフェースとセキュアなデータ連携により、来院時の問診だけでは捉えきれない、日常における患者様の詳細な状態変化をリアルタイムで、かつ高精度に把握することが可能となります。
「3H P-Guardian」のようなePROシステムは、DCTにおいて不可欠な要素であり、被験者様の負担軽減だけでなく、データ収集の精度向上や、臨床試験の効率化にも大きく貢献するものと考えております。
■ 今後の展望
このセミナーで得られた実践的な理解は、3H P-Guardianをはじめとするデジタル技術の活用を一層推進し、臨床試験をより患者様中心で効率的なものへと進化させ、新たな治療法の開発を加速させる上で大切な要素になるのではないかと思います。弊社は、今後も臨床試験の効率化や患者様中心の医薬品開発の実現に貢献してまいる所存です。
DCT体験セミナーやDCT導入支援についてご興味がございましたら弊社(3Hメディソリューション株式会社)までお問い合わせください。
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